働くことに思うこと

新大阪で起業した男の顚末まで

普通の経営者としてアルバイト不適切動画を考える

何かと大騒ぎの『飲食店アルバイトによる不適切動画』。

いろいろな意見があるけれども折角なので私の立場からも意見しておきたい。

私はいちおう社会保険労務士事務所と、一般事業経営との草鞋二足履きで、顧問先も多くないが複数抱え、また外部の中小企業にも非常勤取締役として籍を置いている。これだけ言えば立派な実業家のように聞こえるがどの組織も細々と運営しているので比類無き偉大な大企業の経営者様ではなく、中小企業という日本に最も多い普通の会社の経営者である。(大企業の社長が来るとヘコへコしている情けない人種でもある。)

 

罰を重くすれば罪は減るという考えは他の専門家に任せるとして、ごく普通の経営者として目についた適当な説を交えて意見したい。

 

①暇を持て余した無知の未熟者が愚かな遊びをした説

これが最も有力な説かと思われる。行為自体は昔からあったに決まっているが、現代のスマホ普及のおかげで皆が動画で確認できるようになったことの弊害と言ってよい。私も学生時代のアルバイト先ではしょっちゅうつまみ食いをしたし、もしもスマホで動画を撮影されていたならば相当恥ずかしいことになっていたはずだ。親はきっと泣いただろう。

 

②バイト先に不満があってそのウップン晴らし説(バイトテロ説)

派遣労働者や低賃金のアルバイトに不満が溜まっているという人もいるが、相手は大手企業が多く、よくある零細家族経営事業所のように労働契約書も締結せずノリで働いた後に基本給を知ったなんてことはあるまい。聞いてた職場と違うほど劣悪な就労環境にあの無邪気さは違和感があるし、軽率な復讐行為を起こすだろうか。企業ブランドを考えると可愛くないがどれも行為自体を切り取れば可愛いもので、関西ではゴミ箱でも床でも落ちた食品は3秒以内なら食べれる人が多いし、陳列食品を口に含むなど自宅だったらどれも許されるものばかりに見える。なんなら自宅の冷蔵庫に入っても別によい。

 小銭の沢山入ったレジを触らせてもらえないバイトのささやかな復讐の一つだというのだろうか。

 

③とにかく何も知らずにじゃれてた説

若者はそもそもそういう生き物で、そこが可愛い。愚かで美しい青春に理屈は存在しないのだ。失敗しても次の日にはけろっとしている。自然界ならば命を落とすかもしれないが、そこまで危険な職場ではなさそうだ。ところでそんな人間はどういう採用基準をクリアしたのだろう。

説は無限にあるのでこの程度にして、大多数かどうかはわからないが個人への制裁を強めなければ撲滅できないと色めき立っている人もいるが、経営の基本的な考え方がわかっていない。

 

通常の経営者は、事業活動のすべての責任は経営者に帰すことを知っている。

客が来ないことも、長時間労働も、事業活動がうまくいかないことも、アルバイトの出来が悪いのも全て経営者の責任と考えるのが経営者だ。経営者なら当たり前に持っておかなければならない感覚であり、

 

社会人として未熟な人材採用でコストを下げようとして、

機密情報漏洩や事業場設備の目的外利用の教育を怠り、

簡易作業と高をくくってガキを放任してしまったこと。

 

全て経営に問題がある。私たち普通の経営者ならこう考える。

つまりは、分別のつかない社会人として未熟な人間を、事業に重要な作業やリスクを伴う場所に大人を置かずに放置した事業主側の責任と考えなければ経営してはいけない。

 

法的措置だ損害賠償など恥ずかしいことは頭を冷やしてとっとと取り下げないとさらに企業価値を下げる。

 

皆様の会社は大丈夫か。普通の経営感覚を持っているか。

 

 

resus.jp