社会人はなぜ時間を守らなければならないのか
社会人はなぜ時間を守らなければならないか。
時間を守れと上司から口酸っぱく言われ続けていると思うが、なぜ守らなければならないかと逆に聞いてみれば、たぶん「常識や」と一蹴される。
社会人の大半を占める会社員。会社員は労働契約で会社とつながっている。
会社員はその「時間」を会社に提供し、その対価として給料を受け取っている。みんなが大好きな労働基準法も実は労働時間の長さについて規制しており、これが労働契約の基本だ。
よって契約した時間の一部でも提供しなかった場合には、契約違反となる。
だから時間は守らなければならない。そう約束している。
まるで優れた能力を買われていると勘違いした労働者はどこの会社にもいるが、労働者は能力を基準に対価を支払われているわけではない。労務に服した「時間」を基準に対価が支払われている。
とはいえ、時々とんでもない仕事をやってのけ続ける労働者もいるので、そういう人間は早く能力を引っ提げて独立してほしい。
もしも優れた能力を持っていると自信があり、その能力を買ってほしいのならば、労働契約を解除し、その成果に応じて支払われる業務委託でもなんでもいいから契約をやり直せばいいのだ。能力があれば買ってくれる。時間を守りたくない人も同様だ。
さて、会社側も正しく労働契約を守っているだろうか。約束した時間以上に働かせていないだろうか。提供された時間に正しく対価を支払っているだろうか。
長々続く会議も、ありがたいお説教も、朝の掃除も、夜の飲み会も、会社の旅行も、待機時間だって賃金支払い義務の可能性があることを理解しているだろうか。まさか労働者の時間を奪っておいて、賃金を支払わないなど都合の良い解釈はあるまい。
能力が低いから対価を支払わないのは許されない。労働者に対して約束を守らない会社は常識を口にしてはいけない。
お互いに時間だけは守らなければならない。お互いに常識ある社会人なのだ。