働くことに思うこと

新大阪で起業した男の顚末まで

自宅に引っ越しします

永らくのご愛読ありがとうございました。

自社のホームページで真面目な記事をせっせと更新しろと強い圧力がかかりましたので今後は細々と自宅(自社HP)で書きます。

 

皆さま、さよオナラ

はてなの方が居心地がいいので適当にやって帰ってきます。

 

(☟こっちへ引っ越し)

RESUS社会保険労務士事務所

普通の経営者としてバスの乗車拒否を考える

 珍しく日曜日の朝に早起きしたため、せっかくなので久しぶりにテレビの電源を入れてみる。

私の大好きなまっちゃんことダウンタウン松本人志氏が出演するニュース番組。経済やタレントのニュースを幅広く扱う番組でとにかくまっちゃんは面白い。

そこで身体障害者車いす客を乗車拒否したけしからん運転手について賛否両論の意見が飛び出していたがせっかくなので普通の経営者の感覚としてまたも私の意見を述べたい。

 

コメンテーターの一人によると身内であれば乗車拒否はしないはずだという話。これは当然である。車いすの乗降で待たされると困るという一般意見。これも一理ある。さらには車いすが邪魔だという一般意見。これは教養レベルが低すぎるため無視してもよい。しかし経営者がこれらの回答ならば経営者失格だ。

 

大半の運転手が組織に所属する一個人であり、一個人がルールを逸脱する場合、この場合は「バスを遅延させる相当の理由」が組織で認められるケースに該当するかによる。

 バスを含む公共交通機関については日々運営に携わる方々の努力によって規則正しく運営されていることは異論のないところで、遅延した場合、組織での処分の対象となり得ることは会社員であればよくわかる。理由によって誰が責任の対象となるかはそれぞれの組織による。

 運行を妨げるような事案が発生した場合の対処方法についてマニュアルを設けていることも容易に想像できるが、社会的弱者の対応マニュアルについては非常に作成しづらい。なぜなら社会的弱者はそれぞれ違うからだ。当たり前だ。

 社会一般的には当然に弱者にやさしくすべきが常識であるが、企業経営上はそうはいかない。やさしさはコストが先行する。やさしくするのが当たり前、コンビニ24時間営業が苦しいなら時短して当たり前と原価計算や販売管理費の知識もなく無知で短絡な正義感をさも正義かのように振りかざさないよう注意したい。

 今回のバスの一件がニュースになる事もなく運行に10分以上の遅延を起こし、厳格な運行管理の会社に「車いすの乗客を乗せるためだった」と説明したならばどのような反応だっただろうか。きっと顛末書もしくは始末書とその証明が必要だっただろう。減給は難しいが一年間の昇給停止くらいなら十分ありえる。

 よくやったとパチパチ昇給をしてくれるような寛大(?)な会社ならば運がいいが、厳しい時間管理を逸脱する場合の理由について、運転手ごときの下位職者が上層管理部に言い訳する圧は相当なもので、普通の組織人であれば「運行時間を優先する」ことを優先するのも不自然ではない。

 私たちのような中小企業の普通の経営者からすれば今回の一件は運転手に非は無く、運行管理の例外として、車いす、または介助者(犬)が必要な客など歩行、視認に困難を伴うことが推察される顧客の乗降があった場合はバスを遅延させることに不利益扱い、つまりは処分の対象となり得ない旨規則上明文化し、さらにバス会社の運営方針として内外に広く周知してクレーマーを黙らせておく必要がある。当然、虚偽や規則の悪用については処分の対象となる旨も教育が必要であるが、ここまでやっていて運転手が乗車拒否したならば組織人として譴責程度の処分を負わせることができるかもしれないがどうやらそうでもなさそうだ。

 

一般市民の皆様の期待を一分でも裏切ることなく、

徹底した運行管理によって乗客の期待に応えるべき責務を優先し、

社会的弱者の救済まで配慮が行き届かなかった哀しきマネジメントであり、

 

CSR活動としてわかりやすい社会的弱者救済を、企業価値を高める手段として重点を置けなかった未熟さがあったというところが企業としての唯一の反省だろう。運転手に行為の非はない。

 

これに懲りて企業単位で社会的弱者に対する取り組みを広く周知させることができれば愛される会社としてまだまだ転じて福となる可能性は高い。良客は、価格ではなく心で買い物をすることを学ぶいい機会ともなろう。

 

組織の下位職者個人を責めるような考え方は普通の経営者は持たない。

個人を責めるのはワイドショ―に任せておいて、普通の経営者は個人を責めることの無いよう戒めたい。まして日曜日の昼前に起きだすようなユルい時間管理の経営者はバス会社も個人も責める資格はない。

 

 

RESUS社会保険労務士事務所

山田 雅人

 

オフィスの掃除は誰がすべきか

わが社では社長である私が事務所を清掃している。

 

偉いねとか、手伝いますとか、社長自ら掃除するなんて信じられないなどと社員様から温かいお言葉をいただくことがあるが、実は私が偉いわけではない。掃除は好きでも嫌いでもない。だが手伝ってくださるのは迷惑だ。 

 

私が20代の小僧だったころに勤めていた不動産会社は営業時間前、つまり開店の時間までに店舗の隅々はもちろん表の道路まで綺麗に掃除するよう偉い人から指示されていた。なぜか会社の始業時間は開店時間である9時なのに。その前に勤めていた飲食店のアルバイト先は閉店後にみんなで掃除をして帰る。その後勤めた会社では9時半の始業と同時に始まる朝礼後から週に一度、みんなでダラダラと15分程度の掃除を行っていた。

 

いろんな掃除があるが大切なことなのでわざわざ言う。労働法上は事業所の掃除時間は労働時間とされている。つまりは賃金支払い義務の発生する時間である。そして事業主には労働安全衛生法によって事業場を清潔に保つよう義務付けられているため、程度はあれど必ず掃除はしなければならない。

となると、大きく分けると事業主の選択肢は3つ。

 

①金を払って社員に掃除させる

②金を払って業者に掃除させる

③自分で掃除する

 

清潔さが売上を大きく左右するような飲食店等は別として、お掃除大好き松下幸之助翁の経営論で育った世代はなかなか掃除を外注する気になれない。

法人という区分は問わず組織の場合、自分という主体は労働法上の管理監督者(法41条)、つまりは偉い(はずの)人間ということになる。

 

わが社のような零細企業で労働法上の管理監督者に明確に該当するのは社長である私ただ一人だけになるため、わが社は掃除に金を使わない選択肢を消去法で選んでいるだけの事なのだ。よけいな思案はやめてそっとしておいてほしい。知れば此奴はケチな奴だと気付かれる。

 

みんなで掃除という崇高な共同作業によってモチベーションを高めるとか、

整理整頓の習慣が合理的思考を磨き個々の能力を高めるとか、

成功者はみな掃除好きとか

 

いろんな意見があるがその前に、わが社だけではなく大阪で働く従業員は一時間936円以上かかる。夜10時から朝5時までなら1170円以上かかるのだ。(2019年大阪府最低賃金

 

生産性にうるさい今の時代に皆様の会社は掃除にその価値以上を見出しているか。まさかタダで掃除させている会社はあるまい。

 

 

resus.jp

 

 

 

 

 

普通の経営者としてアルバイト不適切動画を考える

何かと大騒ぎの『飲食店アルバイトによる不適切動画』。

いろいろな意見があるけれども折角なので私の立場からも意見しておきたい。

私はいちおう社会保険労務士事務所と、一般事業経営との草鞋二足履きで、顧問先も多くないが複数抱え、また外部の中小企業にも非常勤取締役として籍を置いている。これだけ言えば立派な実業家のように聞こえるがどの組織も細々と運営しているので比類無き偉大な大企業の経営者様ではなく、中小企業という日本に最も多い普通の会社の経営者である。(大企業の社長が来るとヘコへコしている情けない人種でもある。)

 

罰を重くすれば罪は減るという考えは他の専門家に任せるとして、ごく普通の経営者として目についた適当な説を交えて意見したい。

 

①暇を持て余した無知の未熟者が愚かな遊びをした説

これが最も有力な説かと思われる。行為自体は昔からあったに決まっているが、現代のスマホ普及のおかげで皆が動画で確認できるようになったことの弊害と言ってよい。私も学生時代のアルバイト先ではしょっちゅうつまみ食いをしたし、もしもスマホで動画を撮影されていたならば相当恥ずかしいことになっていたはずだ。親はきっと泣いただろう。

 

②バイト先に不満があってそのウップン晴らし説(バイトテロ説)

派遣労働者や低賃金のアルバイトに不満が溜まっているという人もいるが、相手は大手企業が多く、よくある零細家族経営事業所のように労働契約書も締結せずノリで働いた後に基本給を知ったなんてことはあるまい。聞いてた職場と違うほど劣悪な就労環境にあの無邪気さは違和感があるし、軽率な復讐行為を起こすだろうか。企業ブランドを考えると可愛くないがどれも行為自体を切り取れば可愛いもので、関西ではゴミ箱でも床でも落ちた食品は3秒以内なら食べれる人が多いし、陳列食品を口に含むなど自宅だったらどれも許されるものばかりに見える。なんなら自宅の冷蔵庫に入っても別によい。

 小銭の沢山入ったレジを触らせてもらえないバイトのささやかな復讐の一つだというのだろうか。

 

③とにかく何も知らずにじゃれてた説

若者はそもそもそういう生き物で、そこが可愛い。愚かで美しい青春に理屈は存在しないのだ。失敗しても次の日にはけろっとしている。自然界ならば命を落とすかもしれないが、そこまで危険な職場ではなさそうだ。ところでそんな人間はどういう採用基準をクリアしたのだろう。

説は無限にあるのでこの程度にして、大多数かどうかはわからないが個人への制裁を強めなければ撲滅できないと色めき立っている人もいるが、経営の基本的な考え方がわかっていない。

 

通常の経営者は、事業活動のすべての責任は経営者に帰すことを知っている。

客が来ないことも、長時間労働も、事業活動がうまくいかないことも、アルバイトの出来が悪いのも全て経営者の責任と考えるのが経営者だ。経営者なら当たり前に持っておかなければならない感覚であり、

 

社会人として未熟な人材採用でコストを下げようとして、

機密情報漏洩や事業場設備の目的外利用の教育を怠り、

簡易作業と高をくくってガキを放任してしまったこと。

 

全て経営に問題がある。私たち普通の経営者ならこう考える。

つまりは、分別のつかない社会人として未熟な人間を、事業に重要な作業やリスクを伴う場所に大人を置かずに放置した事業主側の責任と考えなければ経営してはいけない。

 

法的措置だ損害賠償など恥ずかしいことは頭を冷やしてとっとと取り下げないとさらに企業価値を下げる。

 

皆様の会社は大丈夫か。普通の経営感覚を持っているか。

 

 

resus.jp

プンプン匂うヤバい求人票をセレクトしたいと思います

採用難といわれているだけあって、いろいろな会社から採用相談をいただいているので休日にせっせと他社研究をしている。世の中には実に様々な業種があり、他社の求人票調査は面白い。(だから休日にまだしつこく調査してる)

しかし求人広告会社に金ばっかりとられて応募がないと嘆く経営者の方が非常に多いためチェックしていると、本気でこんなこと書いてるならヤバい会社と思われて仕方ない事が多い。人任せにしているから悪いのだが、超お堅い仕事なのにキャハハウフフな職場感満載だったりする。とりあえず赤ペンで真っ赤にしてしまった求人票を眺めつつ、折角なので僕なら絶対応募しないプンプン匂うヤバい求人票ワードをセレクトした。転職は、慎重に。求人も、慎重に。

 

まずはいつもの、

【固定残業代(みなし残業代)の支給】

わざわざ理由は言わないが、固定残業代は労働者にとって何のメリットもない。当然、適法に正しく運用することもできるがその場合には労務管理コストも増大し、まともな経営感覚なら制度を採用しないが、こんなクソみたいな制度を導入している会社は労務知識が乏しく高確率でまともな会社ではない。働く人たちを阿呆やと舐めているか、または阿呆が引っかかって入社してくれるのでまだ続いているのだろう。社員を大切にしていますが、固定残業代を支給しています。それ、嘘だしん。

 

(固定残業代のメリット)

①報酬額を大きく見せれる(給与を盛れる)

②割増賃金を低く計算できる

長時間労働を常態化させやすい(残業ありきの制度として蔓延してる)

 (労働者のメリット)

①無し。以上

※安く長時間労働させたことによる利益を従業員に賞与で還元するとかそんな無意味な行動は想定しません。

※早く帰れば得をするという人もいますが本当に帰れると思いますか?それなら結構です。

※金さえもらえりゃ長時間OK?それなら結構です。

※僕に噛みついてくる経営者がときどきいますがそれ、従業員に同じこと言ってくださいね。

 

【やる気のある人・やる気次第で昇給】

かなり使い古された表現だが、これは何を言いたいのだろう。やる気を維持させるためには組織に貢献したいと思わせなければならない。やる気というモチベーションを高めるのは経営の大切な仕事なのに、本人次第ということか。ということは、やる気のない奴は辞めてしまえと日常的に口にしている会社に違いない。

 

【アットホームで和気あいあい】

気色悪すぎ。会社は家族ではない。限られた時間を共有し目的に向かうチームだ。アットホームを口にする経営者は従業員を家族と勘違いしており、従業員はその場合子供だ。家族に裏切られると激高するのだからヤ―様に近い思想だろう。毎日社長様のありがたいご高説を聞き、唱和を絶叫するのだろう。和気あいあいと。

 

【ネイル・金髪OK】

マジか。見た目にこだわるヤンキーだらけの会社で何を学ぶのか。見た目だけ目立ちたいような幼稚な連中でも気合でできる仕事なのだろう。そんなガキの集団に属したくない。販売系なら許す。しかし頭を冷やせばファッションに対する考え方なのであまり目くじらたてなくてもよい。そういえばわが社はネイルも金髪もパーマもピアスも全然OK。ミニスカはやめてください。

 

【オフの飲み会や休日の集まり】

まだやってんのか。君たちのような内向きの集団が、外部の人間を同化させようとしていることが恐ろしい。ワークライフバランスを学べ。年一回くらいなら許す。金だけくれて偉い人来ないなら許す。

 

ハローワークには掲載していないレア求人】

これはヤバすぎる。ハローワーク社会保険に加入している会社でなければ求人してくれない。つまり、社会保険に加入していないと公言している。通報しちゃうぞ。

 

【異常に高い給与】

入社2年で年収800万円の給与をもらっている社員もいます。けど簡単な仕事です。

いまどき大手企業でも2年で800万円はもらえない。誰でもできる簡単なお仕事なのに給与高すぎる。ということは、仕入原価の安い商品を高額で売る呵責無き鬼の心が必要なのだ。どんな仕事かというと、やっぱり怪しげな商材を売る会社。心が病むぜ。水素水飲んで落ち着こう。

 

【平均年収800万円】

怖い怖い。建築営業怖い!!平均とは、どの部分を切り取ったかによっていろいろなトリックが可能なのは小学生を超えてくるとわかる。口コミサイト覗いてみるとその半分くらいって書き込みされてる。平均って怖いね。平均が出てきたら疑おうね。

 

離職率10年間ゼロ】

宗教団体でもこれは無理。超少人数または家族経営ならば運よく可能かも。独立する社員はどうするのだ。健全な離職率は毎年20%くらいまでだと思うのだが。純白すぎるのも余計に怖い。本当ならば神が経営しているのだろう。僕も入社したい。

 

しかしそんな会社にも飛び込んでくれるチャレンジャーがいるから社会は回っている。求人広告がどんな誇大広告であったとしても、即時の契約解除と引越し代を請求するくらいしかできない。怪しい広告にだまされた方が悪いのだ。賢い皆様は、労働条件通知書も雇用契約書も確認せずに入社を決めてはいけない。

 

 

resus.jp

 

 

久しぶりのお友達は90連休中

久しく音信不通だった年下の友人が突然立ち寄ってくれた。

僕の中でも指折りの元気な若者で、他社とはいえそれなりにそこそこ可愛がっていた。

そんな友人も30歳の大台を迎え、人生何があるかわからんですねと笑いながらの報告は退職だった。

そこまではよくある話。

何と60日間の有給休暇と休日でのんびり過ごしているらしい。有給休暇60日?40日じゃないの?

私としたことが、すっかりうっかりしていた。

有給休暇には付与日という基準日があり、その日が訪れると自動的に有給休暇の権利は発生する。6年6か月を経過するとフルタイム社員であれば20日が毎年付与され、付与された年に使いきれなかった分は翌年に繰り越しされる。10年以上フルタイム以上に勤めあげ、さらに有給を一切消化しなかった頑張り屋さんの彼は40日の有給権利がキープされており、ちょうど40日を消化するタイミングで付与日が到達するように調整すれば、あららびっくり60日の有給休暇の出来上がり。そうか、有給休暇の最長は60日なのだ。そして、事業主側で抗う方法は無いのが退職までの有給休暇。社長がわめいても勝手に発生する。賃金を払わない暴挙に出る経営者も存在するらしいが、弁護士先生にオイシイ仕事を与えるだけなのでやめたほうがいい。

 会社の所定休日に60日の有給休暇を合わせれば、ざっくり計算しても3ヵ月ほどは給料をもらいながら休めちゃう。休ませてもらえなかった哀しい労働者が最後に得る長期有給休暇。スグ先で安定収入を失う事が決まっている長期休暇は全力で喜べない。また、3か月後からの勤務希望者に内定を出す根性の座った企業はなかなか無い。その長期有給休暇は誰が得するのだろう。折角の権利を捨ててしまうのも勿体ない。

年次有給休暇の趣旨は労働者の心身の疲労を癒すためで、疲れたら休む。換言すれば、しっかり休んだならまた働けという意味でもある。法律を制定した時には当然のように皆が権利を行使すると疑いなく想定しており、まさか退職を決意するまで使えない(使わない)労働者がこんなにも発生してしまうことは想定していなかったと聞いたことがある。つまり、退職者の有給休暇は法の趣旨とずれている。ずらしたのはもちろん、ずれた感覚の事業主だ。

いつも申し上げるが、事業主の経営戦略上、退職者の有給消化は会社に何の得もない。ただ黙って有給を消化させなかったことを後悔しているのならば救いようもあるが、なぜかプンプン怒っている経営者の方が多い。

 わが社は趣旨をしっかり理解して、きっちり年度内に有給の全消化をクリアし繰り越しさせないようにしているので、退職日まで3ヵ月も籍だけ残る奇妙な幽霊社員を抱えることはまずないが、怒っている経営者たちにはそろそろ鉄槌が下される時期に差し掛かっている。有給休暇ごときを消化できない企業には誰も入社してくれないぜ。

私個人としては、退職者が次の生活にスイッチするまでに1か月くらいの猶予期間はあってもよいかなと思っているが、暇な時期には1か月くらい連続で休暇を取得し、また働いてくれるのが一番いい。

いろんな屁理屈で消化させないように頑張っている愚かな経営者も多いが、そんな無駄なことを考える暇があれば有給休暇を消化させる方法に頭を使う方が賢い。

有給休暇を毎年全消化させることもなかなか難しい。悪い頭の体操ならば、賢く使いたい。

日ごろから有給休暇を消化させておく以外に、退職者の長期有給休暇を拒否する方法は無い。

友人よ。次こそは休日くらいまともな会社に勤めなさい。 

 

 

RESUS社会保険労務士事務所

山田 雅人

indeedの無料掲載(オーガニック)枠だけで採用できるか

求人担当であれば気になって仕方がない話題のindeedインディード)。無料で求人広告を掲載できるということはお馴染みだが、実際に費用をかけずに採用に成功した記事を発見できなかったので当社の取り組みを紹介する。

結論としては、少人数であれば十分可能。だ。

インディードには無料枠と有料枠があり、求職者が目にするページの上の方、スポンサーと書かれている求人広告は全ていくらかの費用を払って露出度を高めている。

簡単に話題のインディードをおさらいしてみるが、皆さんが今まで目にしていたようなアルバイトマガジンや駅においてある求職チラシとインディードは根本的に構造が異なる。

日ごろからスマホを使っていればわかるように、Yahoo!Googleはそれ自体は情報を発信せず、誰かが発信した情報を集めて表示する『検索エンジン』と呼ばれるものだ。

インディードも構造は同じで、誰かが発信している情報を集めて表示する、『求人特化型』の検索エンジンと考えてよい。何と人材業界の巨人、リクルート社が親会社として運営している。

こいつの凄いところは、企業のホームページや、他業者の媒体、インターネット上で検索可能なすべての情報をAIによるクローリング、つまり人工知能よって探り当て、一定の要件を満たしていれば自動的にインディード上に表示できる仕組みにある。

最近はCMでも遂に言い出したが、まさにインディードだけ見ていればすべての求人は検索できる優れモノだ。求人媒体業者であれば凄まじい広告戦略に震えているはずだが、そんな競合他社もこぞってインディードへの表示できるような仕組みにしていて、人材業界の闇の深さをうかがい知ることができる。

インディードは媒体会社から、媒体会社は一般企業から金をとる仕組みが出来上がりつつある。もちろんインディードへの直接投稿による有料枠が最も上位表示される仕組みも忘れていないので、結局はインディードの一人勝ちが現状だ。有料枠であればクレジットカードまたは12万円をデポジットしてから使っていくのだが、ワンクリック50円~200円程度と地域によって変動し、100クリックされても一万円程度と、旧来の求人媒体と比較すると圧倒的に安い。マジ安。

さてしかし、気になる無料枠(オーガニック)でどこまで採用可能なのかは多くの人事担当が気になっているところ。採用費用に経費を圧迫されて人材定着関連に費用を割けない企業も多い中、インディードに救済されている企業も少なくないはず。無料枠は本当に一切費用は掛からない。せこくコスコスと課金に誘導するような鬱陶しい仕組みも無い。こんな話をしていると早速顧問先から投稿代理の依頼があったため、当社で実験させてもらった。

今回は不動産会社の事務職であり、人気があるような無いような良くも悪くもない職種で、二名正社員を採用してもよいとのお許しをいただいたため、せっせと頑張ってみる。

求人費用は一切かけないけどいい人いたら採用していいよ

という、完全にふざけた依頼であったが、せっかくなのでいろいろ実験させてもらう。

ちなみにインディード等の求人広告は代理店も多い。しかし課金させることによるバックマージンビジネスは私の最も嫌う手法なので私はやらない。当社は求人広告の代理。求人サイトへの投稿を代行するのは(正確であれば)法律上も問題ないし、インディードに問い合わせると今のところダメというルールは無いとのことだったので、面倒くさがりで口下手な事業主に代わって私が投稿させてもらった。もちろんコレで費用はもらわない。

当社は職業紹介事業者ではないため、採用が決まっても売上にならない。従業員が顧問先で採用され、1年以上の定着によって受け取る助成金の一部をごっそり持っていく(20%以上)ことを生業の一つとしているため、すぐ離職するといったミスマッチはタダ働きになってしまうためにしっかり準備に取り掛かる。

自社の環境改善することで定着性は高まり、そして公開することで入職希望者も増えるのは当然のことで、職場の調査と改善への取り組みはすでに実施している。

どこの会社でも同じようなものかもしれないが、年間休日や有休消化率、労働時間管理は本当に甘い。しかし過去は変えられないが未来は変えられる。今後将来にわたって事業主が労働環境改善に取り組むことを、全従業員に向けて発信させ、その通りに努力していく。有給消化率は0%に極めて近かったが、100%に向けた取り組みを管理職の意識改革も含めて実施し改善されている。今まで求人1名に百万近くも広告費をかけてはすぐ辞めるを繰り返していたのだから、その分を回せば安すぎるものだ。従業員を休ませることはタダだ。

求人情報や求職票に偽りがあれば、せっかく来てくれた従業員もすぐ辞めてしまう。将来の労働環境改善は私たち社労士の腕の見せ所。過去は私にはどうにもならないし、来ない来ない来ないと嘆いても応募は来ない。それよりも、自社の足元を見渡して、魅力のある会社に改善していくことが重要なのは多くの事業主が少しづつ気づき始めている。だから私のような輩でも儲かるのだ。儲けさせたくないならば今いる社員の待遇改善、休日増加に取り組めば良いだけの話。

さて3か月間の実施結果は、

①求人広告費ゼロ(無料求人枠のみ)

②閲覧数4000超

③応募者70名

で無事2名の正社員採用に至り、入職後3か月を経過するがいまも機嫌よく働いてくれているようだ。

 

f:id:yamadaresus:20181205102548p:plain

 

気づいたことがあったのでメモしておくが、

 

①頻繁に再投稿(リポストというらしい)を繰り返すとペナルティ食らう

②クローリング表示(自社HP)より直接投稿が優先される

③オーガニックは10日くらいで表示順位激下がり

④立派なタイトルは閲覧多いけど応募者少ない(有料枠のときは注意)

⑤大量採用には向かない。

⑥投稿する曜日あんま関係ない

 

考えればわかることも身をもって体験できたので良かった。

スマホで簡単に応募できるため、1日以内で返信してもなんら反応の無いケースも20%程度あったが、まあこんなもんだろうと諦めるしかない。

さてさて、無料枠にはいろいろな公開されていない制約があり、調子に乗って無茶をするとしっかりとペナルティを課す罠が仕掛けてあるため、インディードの仕掛けは実験しながら審判の顔色をうかがうしかない。

のところタイトルの注意事項は沢山あるがペナルティは甘い。散見する和気あいあいとしたアットホームな職場などと気色悪い表現も問題ないが、和気あいあい毎日飲み会のアットホームな会社に応募は来るのかよく考えて掲載が必要だ。今後は職種に関連しない表現はペナルティとなっていくそうなので動向に注意したい。求人票は会社を表すもので、装飾はマイナスにしかならない。正確に、慎重に、誇大とならないような表現で、恥も誉も正直に表記する。ちなみインディードは2万文字まで掲載できる。結局は求職者目線で情報が提供されているかに尽き、正直に勝る求人票は無い。当たり前のことをする勇気があれば、求人広告費のコストは下がる。

 

resus.jp

  

RESUS社会保険労務士事務所

山田 雅人