働くことに思うこと

新大阪で起業した男の顚末まで

中小企業も公開したほうがいい会社の数字

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 私は新米ながら真剣に経営にあたっている。真剣に経営に取り組み、その結果がどうだったか、経営者の通信簿である決算書と経営指数を社内で公開している。最近は中小企業でも決算書を公開している会社が増えた。

 

良くも悪くも、恥も誉も全部公開すべきことを経営者に言いまくっているから、私もそうでなければならない。

 

中小企業にとって従業員とは、経営を大きく左右する存在であり、従業員無しでは経営は成り立たない。

 

ましてや当社のような10人規模の会社では、離職は結構なダメージで、より条件の良い会社に引き抜きされるとか、独立など、本人にとってハッピーリタイヤであればそれは喜ばしい事だけれどもやっぱり離職は恐ろしい。

 

組織に長く所属していると、いろいろ不満もたまってきて、特に問題となるのは会社への信頼がなくなること、働くことのプライドがなくなって辞めてしまうことがある。定着率を高めるためには日ごろから信頼を得る努力をしておくことが重要だ。

 

信頼を得る事とは、優しい言葉をかけたり、ほめたり、愚痴を聞いたりコミュニケーションを会社側(中小企業では社長)から積極的にしていくべきだけれど、それだけでは足りない。

 

労働の対価としての報酬は当然ながら、大切な社員たちから信頼を得る方法としてはやっぱり経営の透明性をアッピールしていくことが必要だ。

    

ということで、私は会社に関する数字は誰でも閲覧できるようにしており、興味のある人もない人も目に付く場所に配置している。いつでも内情は覗けるようにしている。

今は興味が無くても、不信な点があったり、やたら経営側が派手になったり羽振りがよくなったりすると興味がわいてくる。

 

「〇〇株式会社、〇〇億円の申告漏れ」

 

などのワードをニュースで見かけるとイコール脱税で、

 

 「年商10億円の会社社長」

 

と聞くと、10億円持っている社長と思っている人もいるはずだ。

 

会社員は税法も労働法も学校で学ばなかったため全く知らない人が多い。損益計算書貸借対照表もチンプンカンプンで、自分に関係ないと思い込んで勉強しないからいつまでも無知で従順な労働者のまま過ごしている。大企業の部長クラスでもわからない人はよくいるので、会社員の大半はそうなのだろう。

 

中小企業であっても社会の縮図であり、わが社に無知で従順な労働者は必要無いので、身近な自分の会社の数字を教材として勉強させている。

 

この会社はどんな経営思想で、どんな活動に金を使っているのか。会社の数字を見ればわかる人にはわかる。せめて当社の社員たちにはいずれわかるようになってもらいたい。

 

①経常利益(営業利益)

役員報酬

③使用経費内訳

④決算関連書類

⑤労働関連指数(定着率、有給消化率)

 

ここまで開示している中小企業は見たことがないが、教材のため公開している。私が経営にかかわる会社では役員の飲食代は経費として認めていないし、公私混同してはいけないことは誰でも知っている。金が欲しいなら会社で稼いでたっぷり報酬を受け取ればよいだけなのだ。使用経費内訳を見られていれば恥ずかしくてキャバクラなんて行けない。税務署は許しても、従業員は許さない。

 

その他評価基準や賞与分配方法、残有給休暇の掲示など、労働者にとって気になる労働関連の情報はいやでも目に付くところに貼りだしている。

 

(興味がない人も多いが、実はみんな気にしている)

 

じつは、会社の内情をさらしておくことは会社側にとってもメリットはある。

 

このご時勢会社の経営が傾くこともよくあることだが、やむを得ずリストラや賃金カットなど、労働者にとって不利益の可能性がある行為(不利益変更)を会社が実施する場合は一定の合理的理由が必要となり、合理的理由には会社の財務状況は当然含まれるわけだ。

 

財務状況を開示せずにリストラや賃金カットなど行えるはずもなく、ブクブクと私腹を肥やしたままの経営者が自腹を切らずに、労働者を切ることは許されない。

 

万が一のことも考え、中小企業も現状を開示しておくのも一つの手ではある。

 

 せっかくなので今年作ろうと思っているホームページにはわが社の就業規則を閲覧できるように(入職希望者が閲覧できるように)準備を進めている。

 

自分を律することは大変苦しい。それでも、経営指数が公開されている緊張感をもって経営に取り組むことが、健全な経営者を育てるのだと思う。

 

今の時代は隠し事ができない時代になって、経営者がつまらんことに会社の金を使ったりしているとやっぱり転職サイトやSNSで拡散されてしまうので、日ごろから何事も公開しておくことが安全管理なのだとも思う。

 

 

RESUS社会保険労務士事務所

山田 雅人

yamada@resus.co.jp