働くことに思うこと

新大阪で起業した男の顚末まで

indeedの無料掲載(オーガニック)枠だけで採用できるか

求人担当であれば気になって仕方がない話題のindeedインディード)。無料で求人広告を掲載できるということはお馴染みだが、実際に費用をかけずに採用に成功した記事を発見できなかったので当社の取り組みを紹介する。

結論としては、少人数であれば十分可能。だ。

インディードには無料枠と有料枠があり、求職者が目にするページの上の方、スポンサーと書かれている求人広告は全ていくらかの費用を払って露出度を高めている。

簡単に話題のインディードをおさらいしてみるが、皆さんが今まで目にしていたようなアルバイトマガジンや駅においてある求職チラシとインディードは根本的に構造が異なる。

日ごろからスマホを使っていればわかるように、Yahoo!Googleはそれ自体は情報を発信せず、誰かが発信した情報を集めて表示する『検索エンジン』と呼ばれるものだ。

インディードも構造は同じで、誰かが発信している情報を集めて表示する、『求人特化型』の検索エンジンと考えてよい。何と人材業界の巨人、リクルート社が親会社として運営している。

こいつの凄いところは、企業のホームページや、他業者の媒体、インターネット上で検索可能なすべての情報をAIによるクローリング、つまり人工知能よって探り当て、一定の要件を満たしていれば自動的にインディード上に表示できる仕組みにある。

最近はCMでも遂に言い出したが、まさにインディードだけ見ていればすべての求人は検索できる優れモノだ。求人媒体業者であれば凄まじい広告戦略に震えているはずだが、そんな競合他社もこぞってインディードへの表示できるような仕組みにしていて、人材業界の闇の深さをうかがい知ることができる。

インディードは媒体会社から、媒体会社は一般企業から金をとる仕組みが出来上がりつつある。もちろんインディードへの直接投稿による有料枠が最も上位表示される仕組みも忘れていないので、結局はインディードの一人勝ちが現状だ。有料枠であればクレジットカードまたは12万円をデポジットしてから使っていくのだが、ワンクリック50円~200円程度と地域によって変動し、100クリックされても一万円程度と、旧来の求人媒体と比較すると圧倒的に安い。マジ安。

さてしかし、気になる無料枠(オーガニック)でどこまで採用可能なのかは多くの人事担当が気になっているところ。採用費用に経費を圧迫されて人材定着関連に費用を割けない企業も多い中、インディードに救済されている企業も少なくないはず。無料枠は本当に一切費用は掛からない。せこくコスコスと課金に誘導するような鬱陶しい仕組みも無い。こんな話をしていると早速顧問先から投稿代理の依頼があったため、当社で実験させてもらった。

今回は不動産会社の事務職であり、人気があるような無いような良くも悪くもない職種で、二名正社員を採用してもよいとのお許しをいただいたため、せっせと頑張ってみる。

求人費用は一切かけないけどいい人いたら採用していいよ

という、完全にふざけた依頼であったが、せっかくなのでいろいろ実験させてもらう。

ちなみにインディード等の求人広告は代理店も多い。しかし課金させることによるバックマージンビジネスは私の最も嫌う手法なので私はやらない。当社は求人広告の代理。求人サイトへの投稿を代行するのは(正確であれば)法律上も問題ないし、インディードに問い合わせると今のところダメというルールは無いとのことだったので、面倒くさがりで口下手な事業主に代わって私が投稿させてもらった。もちろんコレで費用はもらわない。

当社は職業紹介事業者ではないため、採用が決まっても売上にならない。従業員が顧問先で採用され、1年以上の定着によって受け取る助成金の一部をごっそり持っていく(20%以上)ことを生業の一つとしているため、すぐ離職するといったミスマッチはタダ働きになってしまうためにしっかり準備に取り掛かる。

自社の環境改善することで定着性は高まり、そして公開することで入職希望者も増えるのは当然のことで、職場の調査と改善への取り組みはすでに実施している。

どこの会社でも同じようなものかもしれないが、年間休日や有休消化率、労働時間管理は本当に甘い。しかし過去は変えられないが未来は変えられる。今後将来にわたって事業主が労働環境改善に取り組むことを、全従業員に向けて発信させ、その通りに努力していく。有給消化率は0%に極めて近かったが、100%に向けた取り組みを管理職の意識改革も含めて実施し改善されている。今まで求人1名に百万近くも広告費をかけてはすぐ辞めるを繰り返していたのだから、その分を回せば安すぎるものだ。従業員を休ませることはタダだ。

求人情報や求職票に偽りがあれば、せっかく来てくれた従業員もすぐ辞めてしまう。将来の労働環境改善は私たち社労士の腕の見せ所。過去は私にはどうにもならないし、来ない来ない来ないと嘆いても応募は来ない。それよりも、自社の足元を見渡して、魅力のある会社に改善していくことが重要なのは多くの事業主が少しづつ気づき始めている。だから私のような輩でも儲かるのだ。儲けさせたくないならば今いる社員の待遇改善、休日増加に取り組めば良いだけの話。

さて3か月間の実施結果は、

①求人広告費ゼロ(無料求人枠のみ)

②閲覧数4000超

③応募者70名

で無事2名の正社員採用に至り、入職後3か月を経過するがいまも機嫌よく働いてくれているようだ。

 

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気づいたことがあったのでメモしておくが、

 

①頻繁に再投稿(リポストというらしい)を繰り返すとペナルティ食らう

②クローリング表示(自社HP)より直接投稿が優先される

③オーガニックは10日くらいで表示順位激下がり

④立派なタイトルは閲覧多いけど応募者少ない(有料枠のときは注意)

⑤大量採用には向かない。

⑥投稿する曜日あんま関係ない

 

考えればわかることも身をもって体験できたので良かった。

スマホで簡単に応募できるため、1日以内で返信してもなんら反応の無いケースも20%程度あったが、まあこんなもんだろうと諦めるしかない。

さてさて、無料枠にはいろいろな公開されていない制約があり、調子に乗って無茶をするとしっかりとペナルティを課す罠が仕掛けてあるため、インディードの仕掛けは実験しながら審判の顔色をうかがうしかない。

のところタイトルの注意事項は沢山あるがペナルティは甘い。散見する和気あいあいとしたアットホームな職場などと気色悪い表現も問題ないが、和気あいあい毎日飲み会のアットホームな会社に応募は来るのかよく考えて掲載が必要だ。今後は職種に関連しない表現はペナルティとなっていくそうなので動向に注意したい。求人票は会社を表すもので、装飾はマイナスにしかならない。正確に、慎重に、誇大とならないような表現で、恥も誉も正直に表記する。ちなみインディードは2万文字まで掲載できる。結局は求職者目線で情報が提供されているかに尽き、正直に勝る求人票は無い。当たり前のことをする勇気があれば、求人広告費のコストは下がる。

 

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RESUS社会保険労務士事務所

山田 雅人