働くことに思うこと

新大阪で起業した男の顚末まで

退職者にやさしくできますか

創業から来てくれていた社員が退職した。

皆の人望も厚く、また後輩の面倒見もよい愛される人柄だった。恐怖のクソ社長である僕にも平気で注意できる物怖じしないエネルギーの溢れる若者だった。

全員に感謝のメールを送り、取引先に挨拶をすませ、デスクの汚れも残有給もきれいさっぱり美しい去り方だった。感謝のメールの送り先には、クソ社長も含まれている。

立つ鳥跡を濁さずとはよく言われることだけれど、実際にはなかなかできるものではない。

僕が勤めていたころの会社は、知らない間に辞めていたり行方不明になったり、社長の機嫌を害してクビになったり、恫喝して辞めさせてくれなかったり、無理やり挨拶させられて暴言はいてしまったり、退職月の社会保険を非加入にしたりと、まともに辞めさせた例を思い出せない。僕自身もぎこちない辞め方ばかりだった。

本人にとっては思うところ(社長がバカとか給与が安いとか休みが少ないとか)があって、ホントのところを知ることはできないけれど、それでも僕が知るところのベストな去り方だった。

 僕たちは一人ひとりが全員違って、会社という組織でかろうじてつながっている。嫌な人もいるし、合わない人もいるし、考え方や暮らしだって全員違う。そんな会社に居場所を見つけて、また新しい場所を見つけていくのは自然なことで、いつも別れは寂しいけれど、有終の美しい人はまた美しい未来があると信じたい。 

僕たちもまた、退職者にも優しく美しい別れの多い会社でありたい。

などと立派なことを言える経営者になりたい。

 

こっそりとエールを送ります。死ぬほど勉強しろよボケ。またね。

 

株式会社RESUS

山田 雅人