働くことに思うこと

新大阪で起業した男の顚末まで

能力がないのに自由を欲すること

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当社は多様な働き方を推奨している。

 

代表の私自身も複数の法人に所属しているし、日替えのダブルワークや時短勤務で上手に働いている従業員もいる。

 

訳あってフルタイムで働けない優秀な人材を労働市場に戻すことや、副業、趣味、学問など社外での時間利用を通じて人物的に成長し、いつか当社に還元してもらうことが目的だ。

 

社会保険も当社は適用拡大の届け出を提出しているので、週20時間以上働いていれば社会保険に加入でき、万一働けなくなった時の保険もばっちりだ。

 

求人票にもそのことを謳っており、時短正社員希望で多数の応募者が来る。 

 

私たちは時間の許す限りできるだけ沢山の人と会うようにしているが、なんの努力もなしで自由ばかりを求めている人が多い気がする。

  

どんな特技があるかと聞いても答えられない人もいるし、パソコンも少し触れるレベルで、元気もないし暗いし、学生時代に研究していたというテーマなんかの質問をしても忘れていてこたえられない人もいる。現在熱意をもって取り組んでいることも無いし、過去の勤務先での成功や失敗、貴重な体験を聞いてもまるで答えられない大人が多くて憂いている。時短勤務に理由がない人もいた。

 

私は経営者なので、個人個人の隠れた才能をビジネスに活かし、社会に貢献してもらうことが責務だと思っているが、いくら時間を費やしても見いだせない人がたくさんいる。そして、そういう人も自由を求めている。

 

特技もなく、苦労もなく、資格もなく、勉強してスキルを磨くこともなく、それでも自由を欲している人達は実に危ういと思う。

 

人は総じて自由を求める生き物だとは理解しているが、働くという尊い行為を否定し、自由だけを求めることができるのは成人するまでだ。

 

労働という時間を提供する行為ではなく、何か社会に付加価値を提供することのできる特技を極めて収入を確保することは大いに結構だと思うが、実家暮らしで何もできない大人が拘束を嫌い、自由を謳歌したいと考えていることは非常に危険な考え方で、数年たった時に現実を知りヒモジイ思いをするのは目に見えている。

 

ホリエモンや、ヒカキンや、その他自由に見える人たちも相当な苦労を積み重ね、勤勉さ、誠実さや行動力を身に着けており、そうでない人間が表面だけを見てマネしたがるのは恐ろしい。

 

まあ他人事だからいいとしても、自由を謳歌したいなら誰にもマネできない特技の一つでも磨き、それを社会に役立てていく強い行動力が必要だ。無い人間はわが社にも縁はない。

 

逃げて自由になることと、自由を切り拓くことは違う。

 

前者にならないように肝に銘じたい。

 

 

RESUS社会保険労務士事務所

山田 雅人

yamada@resus.co.jp