働くことに思うこと

新大阪で起業した男の顚末まで

退職日前の有給全消化は拒否できるか

ライドウェーブコンサルティング事件を例にして、退職日までの有給全消化を拒否できるような表現をしている社労士がいる。しかも結構な数。

 

ちなみに、この事件は多くの争点を争われた事件で、極めて特殊な例外であることは難しい判決文を必死で読めばわかる。

 

簡単に言うと、プロジェクトの最高責任者が、何の引継ぎもせず、また自身が代表を務めるおんなじような業種の会社のために有給を全消化して業務をほっぽりだすのはさすがにあかんやろという内容で、そのような極めて特殊な例外を、顧問先欲しさか正義感か、まるで裏技があるかのように例示している。

 

ひっかかかってしまう経営者は自業自得なので同情もしないが、

 

そんな裏技は存在しない。

 

これもおせっかいだが、労働者に有給を取らせない方法を指導するような輩とは、

 

即刻顧問契約を解除したほうがよい。

 

本物のプロならば、有給休暇をいかに取得させるか。をしっかり指導してくれる。

  

 在職社員の心身のリフレッシュのために有給を消化することは健康的な経営にとって大変効果的で意味がある。しかし、退職する従業員の有給消化は経営上たいして得がないので経営者は皆嫌な顔をする。経営者ならば自己反省すべきところであるが嫌な顔をしてしまうのは、性格が腐っているだけなので仕方がない。

 

 

有給消化中は労働保険関連の手続き上からも新しい勤務先と重複して籍を置くことは実質難しいため、離職者は悶々と無為な有給休暇を過ごしている。まさか次の収入のあてもなく、つかの間の連続休暇に浮かれて旅行に行くバカは若者くらいだろう。皆悶々としている。

 

 普段からきっちり消化させておけば、離職時の有給消化ごときでセコく言う気も失せるし、働く従業員からすれば、なんと寛大な会社かと勘違い(※)してくれる可能性もあり、気持ちよく一生懸命働いてくれる。

(※有給は法で決められているので本来は経営者の寛大さと関係ない)

 

反面、有給消化ごときのセコい理由で禍根が残る離職者がでれば当然、残された従業員たちのモチベーションもグングン下がる。

 

※これもいつも言われるのでわざわざ書くが、引継ぎに日数が必要な仕事ならば退職日までの期間が残有給以下にならないよう普段から有給消化させておき、さらに円満退社を心がけておけばよい。残有給を消化させて減らしておく以外に手は無いのだ。付与直後だったらどうすんのとかつまらん質問は毛も生えない。残有給40日とか私なら怖くて眠れない。

 

 そのうち口コミサイトに辛辣なコメントを書かれ、採用難と離職増で経営不振になるだろうからわざわざ言うこともないが、せっかく経営するなら最高のパフォーマンスを発揮してくれるような「余裕のある」配慮くらいすればよい。

 

 ちなみに最近は安価で退職手続きを代行してくれる司法書士など頼れる専門家もいる。有給全消化のついでに未払い賃金もしっかり計算して回収してくれるそうなので、せっかくならば活用してみるのもよい。

 

労働者を無視し、経営者の味方などと媚びてまで仕事が欲しい専門家が多くて残念ではあるが、経営者と労働者の健全性は一体であり、決して経営から切り離すことはできない。

 

労働者を守ることは、経営を守ることだと、早く理解してくれる日を願う。

 

経営したことがないのに、なぜか経営のプロを自称する人は多いが、自称プロは逃げる事は本当にプロなので、一緒には死んでくれない。自称プロに騙されても責任を負うのは経営者となる。

 

指示通りで経営不振に陥っても定額の顧問料を引き落とすのが自称プロの仕事だ。

 

経営のプロは、正しく経営者を支援し、苦楽を共にするプロであってほしい。

 

労働者を虐めても何の得もないよ。ちゃんとしようぜ、経営者もプロも。

 

  

RESUS社会保険労務士事務所

山田 雅人

yamada@resus.co.jp