働くことに思うこと

新大阪で起業した男の顚末まで

忙しくない時も一生懸命はたらいて

繁忙シーズンの足音がする。

 

私の携わる不動産業界も、これからが名実ともに、「春の大シーズン」となる。

 

不動産業者はこれから稼ぎ時という名の地獄が始まる。

 

この時期に忙しいのは当たり前。と経営者はいう。

 

さて、忙しくない時期の社員たちはどうしているかというと、

 

やっぱり忙しくしている。

 

活動量は別として、繁忙期は超長時間労働、閑散期も長時間労働で、年中のメリハリがない。

 

だから不動産業界は人気がない。

 

私が経営者に口酸っぱく言っていることは、忙しいのが仕方ないのであれば、暇なシーズンは、ほかの業界よりも労働時間を短くしてほしいのだ。

 

例えば、週休3日にするとか、出勤時間を時短するとか、有給消化に集中するとか。つまり、通年の総実労働時間で『普通』になるようにしてほしい。

 

中小の賃貸営業会社の経営者に総実労働時間の話をしても、だいたい理解できない人間が多い。把握すらしてないのではないだろうか。重要な指数だよ。ねえ。

 

36協定すら理解していない経営者もたくさんいるくらいだから、はっきり言って労働に関する知識レベルが低い。

 

開き直って仕方ないというのであれば、せめて暇なときはたっぷり休ませてやってほしい。

 

社員のことを第一に考えていると豪語する経営者も仕組みの理解が全くないので、長時間労働が常態化している。自分も長時間だったから、社員も長時間働くのだ。なぜなら、それが教育で、自分のような立派な人間にする方法だからだ。

 

どうしてそうなる?

 

36協定の上限や、割増賃金など、労働関連法との抵触はともかく、働く労働者としては、忙しくてもいいけど、それなら暇なとき休ませてくれよ。と思うのが普通ではないか。

 

それなのに、暇な時でも休ませることなく、何か仕事を探させたり、どうでもよい作業で拘束している。ぼーっとしていても拘束時間であり、労働時間であることに変わりない。

 

時間管理をしっかりして、総実労働時間の短縮に取り組めば定着性も向上すると思うが、不動産の経営者は時間短縮に脳が回らないので離職するたび従業員を責め、成長しない。

 

忙しいのが仕方ないなら、忙しくない時はたっぷり休ませてやることが当然じゃないだろうか。

 

繁忙期に週1日以下の休日なら、閑散期は週3日くらい休ませて、年間所定休日で120日くらいは確保できる。有給の全消化など当たり前にできる。

 

健全とは言えないが、せめてそうしてほしい。

 

少しハードルは高いが、変形労働時間制(1年単位)を導入するなど、適法で、見栄え的にもカッコいい方法もある。(がんばれば自力でできます)

 

労働者の待遇を改善すれば、定着率が高まり、長期的に業績も向上することを知ってほしい。

 

と、今日は愚痴ってみる。大阪は大雪だ。

 

適法に完全に実施したいという貴重で優れたお考えの経営者様、ご一報を。お代は儲かってからで結構です。

 

リーサス社会保険労務士事務所

山田 雅人

yamada@resus.co.jp