創業一周年は置いといて
先日ついに当社も一周年を迎えた。大変めでたい。
さて、先日社内でも通知したが、せっかくなので外部にも労働指数を公開したい。
通年勤務者をモデル社員として、
①有給消化率
法定10日、法定外10日を付与し、すべて消化してくれたので、
有給消化率は100%となりました。
②従業員定着率
通年勤続者:2名 100%
※途中入社(6か月~1年未満):4名 100%
(離職者ゼロでした)
③総実労働時間
1870時間(最も多い人)
④給与ベースアップ
平均7%
⑤法定外残業時間
150時間(最も多い人)
⑥長期休暇取得者
なし
当社の従業員は全員正社員です。
他社へ労働環境改善の指導をする立場から、自社は圧倒的である必要性がありますゆえ、もっともっと、指数を改善して究極の労働環境を追求します。
さてここから本題。
中小企業にとって離職は経営を揺るがし、倒産すらしかねない重大な事件だ。いいサービスも従業員無しでは成り立たない。
当社は私個人の社労士事務所が監修していることもあり、ここはかなり真剣に扱っている。
以下は当社の手法であるが、中小企業の経営に役立つ情報なので是非参考にしてもらいたい。
①労務コンプラの調査実施
②労務環境改善案の策定と実施
③労務相談窓口の設置
④情報の公開
を基本サイクルで実施している。
①労務コンプラ
とは、最低限の基準を定めた労働基準法他労働関連法規の適合を調査する作業だ。
最低限の基準であり、ここがクリアできていない企業は監督署の指導や罰則で、外部から強制的に是正される虞がある。行政指導が入ると仕事どころではない。まさにリスクだ。
しかしこのあたりはそこそこ労務畑にいた人材がいれば簡単なのですぐ調査出来る。
たとえば、
◎規定労働時間は法定内か
◎36協定の届出、割増残業代の支払いは適切か
◎社会保険・労働保険の届出は確実にされているか
◎労働時間は分単位で労働者が打刻し、保存されているか
◎就業規則類は従業員がいつでも見られるような状態にあるか
◎就業規則類は実態に即した内容で、また適切に改定されているか
◎労働者代表を民主的方法で決定し、意見を聞いているか。
と基本的なことばかりだ。
②労務環境改善
最低基準は、もし守られていなければ即改善は当然として、プラスアルファの検討だ。たとえば、法定内割増や、法定外有給休暇、福利厚生制度の検討である。
ここは法で定められたものではないが、従業員のモチベーションを向上し、会社の生産性を高めるための施策で、私は必須と認識している。いろいろ従業員たちと制度を考えることは生産的で楽しい。
③労務相談窓口の設置
は、社内の上司ではなく外部の専門家や会社が関連する第三者に従業員が直接相談できるよう配慮する方法だ。
これで、サイレント離職に一定の予防線が張れる。離職を決断した従業員は先延ばしできても必ず辞める。決断の前にキャッチすることが必要だ。問題点は従業員に指摘される前に経営側で気づくのが最良だが、なかなかそうはいかないので聞き上手でやさしい人にお願いするとよい。ちなみに、社労士で従業員の労働相談を受けているところも少しあるようだが、従業員が「会社の社労士を紹介して」とは言いにくいので自主的に設置しよう。相談が一つもなければそれもよい。(委託費次第)
④情報の公開
これがキモだ。在職者にも、応募者にも効果がある。さまざまな団体やサイト(ROBINS等)で適合認定や、くるみんやユースエールなど視覚的な認定マークを取得するのもよい。また本記事のように自社の労働指数を公開することも効果的だ。偽りはいずれ在職者からSNSでリークされるので、一定圧がかかっていることは考えればわかる。ネット上に指数を公開することは偽りでなければ何のリスクも無い。恥じることなく現在の指数(せめて有給消化率程度でも)公開し、改善に取り組む姿勢を示すことが従業員定着・採用戦略に役立つ。現に、当社はコーポレートサイトを作成していないSNSオンリーのダサダサ会社で、繁忙期の残業時間はグレーを超えたチャコールグレーと自認し猛省しているが、在職者や応募者はそこもきっちり見てくれている。派手な装飾だらけのHPより、シンプルなSNSのほうが若者採用には効果がある。
以上の施策をサイクル化することで従業員は定着し、また応募者も増える。はっきりいって、たくさんのブラック会社のおかげで、当社はまだ雇用に不安なく体制を維持できている。世の中すべてがホワイト会社になるまでは、この手法で十分通用する。是非真似してもらいたい。
今はだめでも将来に向かって改善することで従業員が希望を持ち、少しでも期待して働いてくれるなら、会社は必ず成長する。(と信じて)
株式会社RESUS
RESUS社会保険労務士事務所
代表 山田 雅人